どうも野良猫です。
ハノイも寒くなってきました。昨日今日と15度ほど。先週が25度前後だったので、1週間で10度下がった事になります。
半袖の季節からスーツの上着を着ていても寒く感じます。
私事ですが仕事で建設業をやっているのでベトナムの建物の構造について触れることがあります。
ハノイの冬は10度ほどの気温になる事もあれば、湿度が80%を超える事もあり、夏になれば気温が40度を超えることもあります。
それにも関わらず高層ビルやマンション以外は基本的にレンガ積みの建物です。
床(天井)だけは鉄筋を組みますが断熱材などの居住者の快適性を考えた建物がありません。
そのため、冬は足元から来る寒さが厳しく、湿度がきつい季節はスーツがカビるほどの湿気となります。夏は室内でも窓が無ければ建物ごと暖められます。
何についても遅れている感を感じざるを得ません。
余談が長くなりましたが、10月末にオープンしたAEON MALL LONG BIENの日記的なものを書きます。参考になるかはわかりませんが、東南アジアに日本のショッピングセンターができた。消費財で日系が苦戦をしている市場に特大の売り場ができたという視点で見ていただいたら嬉しいです。
まずハノイのショッピングセンターと小売店の所在地についてGoogle Mapに纏めました。
イオンモールが先行してオープンしたホーチミンの店舗についても纏めてあります。
ベトナムの足はバイクですから、バイクで自分が買い物に行くとしたら~と考えていただけたら嬉しいです。
https://www.google.com/maps/d/edit?mid=zyezax19mtIY.k8x6hW3uDPNk&usp=sharing
注目をして頂きたいのはハノイ市とホーチミン市の大きさの違いです。
ハノイは近くを流れるホン川から外周を囲む高速道路が中心街となります。
ホーチミンは国道1号線からBinh Hungまでの距離が参考となります。
ハノイは約20キロ。
ホーチミンは約10キロです。
経済面ではホーチミンが先行をしているのですが、都市の大きさではハノイが上回ります。
これは地価も影響を及ぼしているのですが都市圏の拡大はいまも続いています。
そんな中でのイオンモールロンビエンです。
ホーチミンのイオンは都市が小さいながらも、日本人街と呼ばれるレタントン通りから10キロほど。
ハノイの日本人街はキムマー通りにありますが、ここから10キロでロンビエン。
距離はほぼ同じですが都市の大きさが違えばベトナム人の生活圏も異なります。
またロンビエンという場所は川をはさんだ向こうに観光地の旧市街があり、少し足を伸ばせばタイ湖という富裕層と外国人が多く住むエリアがあります。
このエリアに住むベトナム人は102万人。
日本にこれだけの人々が住む未開の市場があるでしょうか。
更に近くにはEco Parkという外国人が土地を持つ事を特別に許されたレジデンスパークがあります。
つまりロンビエンというのは非常に将来性のある土地なんです。
イオンはこの場所にホーチミンの1号店・2号店を上回る1万6000平方メートルの売り場を持つ巨大店舗を作りました。
http://matome.naver.jp/odai/2144655255003107001
さて、そんな場所にできたイオンモールロンビエンのオープン初日はどんな感じだったのでしょうか。
ブログの関係上、ドロップボックスに纏めましたので画像をご覧ください。
混雑振りが分かって頂けたら嬉しいです。
https://www.dropbox.com/sh/ceeh2yk3fu6kdh8/AADtcJqOPs_1kA-0_woe9_0ua?dl=0
ハノイに住んでいて感じるのはお店がいろいろな場所に点在をしているという事です。
スーパー・雑貨店・電気屋さん・ジム・語学学校・マッサージ店など、生活で必要なお店がばらばらな場所にあり、通うのが非常に面倒です。
しかしイオンは滞在型の店舗を目指しているだけあって上記のお店が全て揃っています。
しかもイオンが品質管理や売上でチェックを行っているので、質が悪ければテナントが交換されます。
ユーザーにとって嬉しい限りですね。
さてそんなイオンについて在住日本人の見込みはどうかと言うと・・・。
「年内はご祝儀相場で混雑するだろう。だけど一年で一番消費が増えるテト(旧正月)を超えれば閑散とするだろう。」です。厳しいですね。
イオンもホーチミンでの経験や予想を踏まえ、イベントでの集客を目指していると思われます。
NPでもシェアをさせていただきましたが下記記事のようなイベントを打っています。
「ハノイのイオンに巨大ピカチュウの群れが出現、1000人が熱狂」
https://newspicks.com/news/1270257?ref=search&keyword=%E3%83%94%E3%82%AB%E3%83%81%E3%83%A5%E3%82%A6&tab=news
ソフトパワーや小売市場で韓国・中国企業が独占状態にあるハノイ市場。
日本企業の質の高さや安心さを愛している一人の日本人としてイオンを皮切りに、どんどん日本のサービスや製品が手の届く場所に安価な値段で広がっていく事を心から願っております。
なお、イオン内の各店舗については下記記事が参考になるのでご参照ください。
「ベトナム情報ナビ」
http://vietnam-navi.info/article/aeon-mall-long-bien
社会主義国のベトナムでもハノイは特に難しい商習慣を持ちます。
しかし、悪い人は少なく、多くが既存の社会構造の中で強く純粋に生きている人々が多いです。
ネット上の情報だけでなく、少しでもベトナムに興味を持つ人が増え、ハノイがもっとよい街になる事を願って。
(閑散としたイオンの方がゆっくりできるから、実はそっちの方が個人的に嬉しいとか言えない。)
欄外編 本日のベトナム美女
お名前はNguyễn Ngọc Bích(グエン・ゴック・ビック)様。このお緑色の制服は軍服です。
下記、コメントを受けての追記。
ベトナム女子に釘付けな男達へ。
かわええやろ?こんな子らが語尾に『ニャッ』とか言って会話しとんのやで?駐在で来た非モテ男がコロッと落ちるのもしゃーないよな。
せやけどベトナム人には気をつけぇよ。金が掛かるからな。
美人は古今東西変わらず経済力とわがままを許せる胆力や。
Wedenesday様
NP経由だと繋がらないのでURLコピーしてご覧くださいm(_ _)m
シミケン、山田プロ
テナント料はハノイも高いようです。
だから市内で既にやってる日系飲食店は牛角と大山というラーメン屋以外は出店してないません。路面店の方が儲かるらしいです。
ネイルサロンは既にローカルが結構あります。
美容院がやってるイメージです。
日系の美容院が既に進出しているので髪と爪をセットでケアしましょうー的な路線はいかがでしょうか。
立地についてはターゲットに寄ると思います。
kasakawaさんの仰るとおり、ハノイはホーチミンより分散して市場が存在します。
富裕層を狙うならホアンキエム(Ly Thai To通り周辺)、欧米系はタイ湖周辺、日系はハイバーチュンかキムマー周辺です。
teppei様
有難う御座います。(ΦωΦ)
tehahashi様
建物の構造は極めて脆弱です。
柱と床は鉄筋と鉄骨で組んであるのですが、壁はレンガを積んだだけです。
上からの圧力には強いのですが横揺れには為すすべ無しです。
それもあって住居は隣の家と密着していて、一つの塊として強化されています。
言葉では上手く説明できませんが、実際に来て見ていただけるとよく分かるかなと思います。
ちなみにロッテは震度5くらいには耐えられるそうですが、ホントかいなって思ってます。
開業早々にエレベーターで事故起こしてましたから。(HYUNDAI製)
北畠師匠
そういうのいいですよね。なんか心が暖かくなるんじゃー。
cottonnail様
女性から見てもかわいいってのは相当ですね。
ベトナム人女性ばかり見ていると日本の女性ってなんだかなーと思ってしまうのです。
(某女性プロのように強く自立した女性もいいけど・・という意味です)
kato様
パパママショップがシャッター街になる可能性は無きにしもあらずです。
ベトナム政府的にはそれも大事だけど、いまのベトナム経済の方が重要と考えているようです。
工業立国を目指してきましたが裾野産業の弱さから、輸入産業ばかり進化をしています。
技術力は投資でどうにかなる問題でもないので、なりふり考えていられなくなってきているようです。TPPもその延長戦にあると思います。
個人的にはタイのようにパパママショップが業態を変化させてモダンな小売店へ変化していくのがベターと思っています。
kasakawa様
ハノイの自然豊かな街づくりはパリを意識していると思います。
気候はどっちかというと中国+ロンドンな感じなのですが、目には優しいですよね。
汚染度については上海と同じレベルと聞いたことがあります。
その辺はやっぱり社会主義国。オープンになっているのかはわかりません。
この辺はこういう記事もあり気になっています。
http://www.gizmodo.jp/2015/11/post_1212121227.html
偽農民様
なんとなく行っちゃう場所でいいと思います。
韓国や中国よりも日本が安心。イオンに来ただけで少しお金持ちになった気分を味わえる。
北畠さんの写真活動に共通する部分がありますが、月に2万円ほどの給料で生活している素朴な人たちにとってそういう経験って人生を左右するものだと思うんです。
美女しか見ていない男達へ
ベトナム版ドラえもんの静香ちゃんを贈る。
ニヤニヤしてくれなはれ。
ハノイも寒くなってきました。昨日今日と15度ほど。先週が25度前後だったので、1週間で10度下がった事になります。
半袖の季節からスーツの上着を着ていても寒く感じます。
私事ですが仕事で建設業をやっているのでベトナムの建物の構造について触れることがあります。
ハノイの冬は10度ほどの気温になる事もあれば、湿度が80%を超える事もあり、夏になれば気温が40度を超えることもあります。
それにも関わらず高層ビルやマンション以外は基本的にレンガ積みの建物です。
床(天井)だけは鉄筋を組みますが断熱材などの居住者の快適性を考えた建物がありません。
そのため、冬は足元から来る寒さが厳しく、湿度がきつい季節はスーツがカビるほどの湿気となります。夏は室内でも窓が無ければ建物ごと暖められます。
何についても遅れている感を感じざるを得ません。
余談が長くなりましたが、10月末にオープンしたAEON MALL LONG BIENの日記的なものを書きます。参考になるかはわかりませんが、東南アジアに日本のショッピングセンターができた。消費財で日系が苦戦をしている市場に特大の売り場ができたという視点で見ていただいたら嬉しいです。
まずハノイのショッピングセンターと小売店の所在地についてGoogle Mapに纏めました。
イオンモールが先行してオープンしたホーチミンの店舗についても纏めてあります。
ベトナムの足はバイクですから、バイクで自分が買い物に行くとしたら~と考えていただけたら嬉しいです。
https://www.google.com/maps/d/edit?mid=zyezax19mtIY.k8x6hW3uDPNk&usp=sharing
注目をして頂きたいのはハノイ市とホーチミン市の大きさの違いです。
ハノイは近くを流れるホン川から外周を囲む高速道路が中心街となります。
ホーチミンは国道1号線からBinh Hungまでの距離が参考となります。
ハノイは約20キロ。
ホーチミンは約10キロです。
経済面ではホーチミンが先行をしているのですが、都市の大きさではハノイが上回ります。
これは地価も影響を及ぼしているのですが都市圏の拡大はいまも続いています。
そんな中でのイオンモールロンビエンです。
ホーチミンのイオンは都市が小さいながらも、日本人街と呼ばれるレタントン通りから10キロほど。
ハノイの日本人街はキムマー通りにありますが、ここから10キロでロンビエン。
距離はほぼ同じですが都市の大きさが違えばベトナム人の生活圏も異なります。
またロンビエンという場所は川をはさんだ向こうに観光地の旧市街があり、少し足を伸ばせばタイ湖という富裕層と外国人が多く住むエリアがあります。
このエリアに住むベトナム人は102万人。
日本にこれだけの人々が住む未開の市場があるでしょうか。
更に近くにはEco Parkという外国人が土地を持つ事を特別に許されたレジデンスパークがあります。
つまりロンビエンというのは非常に将来性のある土地なんです。
イオンはこの場所にホーチミンの1号店・2号店を上回る1万6000平方メートルの売り場を持つ巨大店舗を作りました。
http://matome.naver.jp/odai/2144655255003107001
さて、そんな場所にできたイオンモールロンビエンのオープン初日はどんな感じだったのでしょうか。
ブログの関係上、ドロップボックスに纏めましたので画像をご覧ください。
混雑振りが分かって頂けたら嬉しいです。
https://www.dropbox.com/sh/ceeh2yk3fu6kdh8/AADtcJqOPs_1kA-0_woe9_0ua?dl=0
ハノイに住んでいて感じるのはお店がいろいろな場所に点在をしているという事です。
スーパー・雑貨店・電気屋さん・ジム・語学学校・マッサージ店など、生活で必要なお店がばらばらな場所にあり、通うのが非常に面倒です。
しかしイオンは滞在型の店舗を目指しているだけあって上記のお店が全て揃っています。
しかもイオンが品質管理や売上でチェックを行っているので、質が悪ければテナントが交換されます。
ユーザーにとって嬉しい限りですね。
さてそんなイオンについて在住日本人の見込みはどうかと言うと・・・。
「年内はご祝儀相場で混雑するだろう。だけど一年で一番消費が増えるテト(旧正月)を超えれば閑散とするだろう。」です。厳しいですね。
イオンもホーチミンでの経験や予想を踏まえ、イベントでの集客を目指していると思われます。
NPでもシェアをさせていただきましたが下記記事のようなイベントを打っています。
「ハノイのイオンに巨大ピカチュウの群れが出現、1000人が熱狂」
https://newspicks.com/news/1270257?ref=search&keyword=%E3%83%94%E3%82%AB%E3%83%81%E3%83%A5%E3%82%A6&tab=news
ソフトパワーや小売市場で韓国・中国企業が独占状態にあるハノイ市場。
日本企業の質の高さや安心さを愛している一人の日本人としてイオンを皮切りに、どんどん日本のサービスや製品が手の届く場所に安価な値段で広がっていく事を心から願っております。
なお、イオン内の各店舗については下記記事が参考になるのでご参照ください。
「ベトナム情報ナビ」
http://vietnam-navi.info/article/aeon-mall-long-bien
社会主義国のベトナムでもハノイは特に難しい商習慣を持ちます。
しかし、悪い人は少なく、多くが既存の社会構造の中で強く純粋に生きている人々が多いです。
ネット上の情報だけでなく、少しでもベトナムに興味を持つ人が増え、ハノイがもっとよい街になる事を願って。
(閑散としたイオンの方がゆっくりできるから、実はそっちの方が個人的に嬉しいとか言えない。)
欄外編 本日のベトナム美女
お名前はNguyễn Ngọc Bích(グエン・ゴック・ビック)様。このお緑色の制服は軍服です。
参照元の記事内(2013年当時)では現在ハノイ人民警察1年目を過ごしているとあるので、おそらく18際です。
この学校を卒業した後、交差点のお立ち台で交通整理をするんだろうなーと想像するとハノイを好きになりそうになりませんか?
参照元
http://phungquangthanh.net/nu-hoc-vien-canh-sat-hoa-thanh-co-dau-kieu-diem.html
下記、コメントを受けての追記。
ベトナム女子に釘付けな男達へ。
かわええやろ?こんな子らが語尾に『ニャッ』とか言って会話しとんのやで?駐在で来た非モテ男がコロッと落ちるのもしゃーないよな。
せやけどベトナム人には気をつけぇよ。金が掛かるからな。
美人は古今東西変わらず経済力とわがままを許せる胆力や。
Wedenesday様
NP経由だと繋がらないのでURLコピーしてご覧くださいm(_ _)m
シミケン、山田プロ
テナント料はハノイも高いようです。
だから市内で既にやってる日系飲食店は牛角と大山というラーメン屋以外は出店してないません。路面店の方が儲かるらしいです。
ネイルサロンは既にローカルが結構あります。
美容院がやってるイメージです。
日系の美容院が既に進出しているので髪と爪をセットでケアしましょうー的な路線はいかがでしょうか。
立地についてはターゲットに寄ると思います。
kasakawaさんの仰るとおり、ハノイはホーチミンより分散して市場が存在します。
富裕層を狙うならホアンキエム(Ly Thai To通り周辺)、欧米系はタイ湖周辺、日系はハイバーチュンかキムマー周辺です。
teppei様
有難う御座います。(ΦωΦ)
tehahashi様
建物の構造は極めて脆弱です。
柱と床は鉄筋と鉄骨で組んであるのですが、壁はレンガを積んだだけです。
上からの圧力には強いのですが横揺れには為すすべ無しです。
それもあって住居は隣の家と密着していて、一つの塊として強化されています。
言葉では上手く説明できませんが、実際に来て見ていただけるとよく分かるかなと思います。
ちなみにロッテは震度5くらいには耐えられるそうですが、ホントかいなって思ってます。
開業早々にエレベーターで事故起こしてましたから。(HYUNDAI製)
北畠師匠
そういうのいいですよね。なんか心が暖かくなるんじゃー。
cottonnail様
女性から見てもかわいいってのは相当ですね。
ベトナム人女性ばかり見ていると日本の女性ってなんだかなーと思ってしまうのです。
(某女性プロのように強く自立した女性もいいけど・・という意味です)
kato様
パパママショップがシャッター街になる可能性は無きにしもあらずです。
ベトナム政府的にはそれも大事だけど、いまのベトナム経済の方が重要と考えているようです。
工業立国を目指してきましたが裾野産業の弱さから、輸入産業ばかり進化をしています。
技術力は投資でどうにかなる問題でもないので、なりふり考えていられなくなってきているようです。TPPもその延長戦にあると思います。
個人的にはタイのようにパパママショップが業態を変化させてモダンな小売店へ変化していくのがベターと思っています。
kasakawa様
ハノイの自然豊かな街づくりはパリを意識していると思います。
気候はどっちかというと中国+ロンドンな感じなのですが、目には優しいですよね。
汚染度については上海と同じレベルと聞いたことがあります。
その辺はやっぱり社会主義国。オープンになっているのかはわかりません。
この辺はこういう記事もあり気になっています。
http://www.gizmodo.jp/2015/11/post_1212121227.html
偽農民様
なんとなく行っちゃう場所でいいと思います。
韓国や中国よりも日本が安心。イオンに来ただけで少しお金持ちになった気分を味わえる。
北畠さんの写真活動に共通する部分がありますが、月に2万円ほどの給料で生活している素朴な人たちにとってそういう経験って人生を左右するものだと思うんです。
美女しか見ていない男達へ
ベトナム版ドラえもんの静香ちゃんを贈る。
ニヤニヤしてくれなはれ。
一見すれば2.の方が理想的で、NPのコメント欄もそのような傾向があったかと思います。
しかし、実はこの文化相対主義こそが、最終的には1.の自文化中心主義を生み出すという批判があります。また、2.が人種隔離政策を生み出したという批判もあります。
例えば、猫食文化を持つ人と猫食文化を持たない人が同じ社会で生活をしたとします。
互いに互いの文化を理解し、相対化した態度を取ったとします。
そうなると、最終的には棲み分けが発生し、「この町では猫を食べる事ができるが、この町では罰則が与えられます」という事になります。
そして猫食をする人が社会的多数派となれば、当然猫食ができる地域を増やす行動に動くでしょうから、猫食をしない人が隔離されるような事態になります。
実はこの文化相対主義こそがアパルトヘイトの原因ともいえる思想なんです。
参考にしたサイト
「文化が違うから分ければよい」のか――アパルトヘイトと差異の承認の政治 亀井伸孝 / 文化人類学、アフリカ地域研究」
(http://synodos.jp/society/13008)
ビジネスの現場に移って考えてみましょう。
ベトナムなどの新興国では賄賂が公然の秘密として横行しています。
元々は社会の英雄といえる公職者は低い給料で社会に奉公をしているのだから、市民はその御礼として心遣いをしましょう。という背景で生まれたと思われます。
上記の1.と2.で考えて見ましょう。
1.の場合は賄賂はビジネスの公平性と競争原理を侵害し健全な市場の形成に繋がらない為、罰則を与えるべきである。
2.の場合は賄賂も現地独自の商習慣であり文化の一種なのだから、郷に入れば郷に従いましょう。
こう考えると仮定します。
では、1.を母国のコンプライアンス上取る外資系企業と2.を取る現地企業はビジネス関係になる事ができるでしょうか。
答えは「非常に難しい」です。
結局はグローバル経済の勝ち組である1.が有利になり2.を取る勢力は駆逐されていきます。
そしてビジネス上はそれが正しい競争原理であるとされます。
少し抽象的な議論が続きますが、もう少しで終わります。
文化相対主義というのは個々の文化に優劣をつけず、それぞれの文化の良いところを合せより「多様」な文化を創っていこうという主義ですが、競争がある社会では優劣が付いてしまうんです。
「この文化は劣った文化であり、その文化を持つ国民は低俗な民だ。」
「この文化は優秀な文化であり、その文化を持つ国民は優秀な民である。」
第二次大戦で聞いたことがある言葉かと思います。
そうです。勝ち負けがはっきりするビジネスや国家同士の争いではこの考え方がはっきりと出てしまうんです。
これではいけないです。
では、どうすればいいのか。
ここで出てくるのが「普遍主義」と言われる考え方です。
普遍主義とは
(http://www.weblio.jp/content/%E6%99%AE%E9%81%8D%E4%B8%BB%E7%BE%A9)
物事には普遍的な原理があり、その普遍的なものを重視するべきである、という考え方を意味する表現。主に相対主義との対比で言及される概念。
例えば私欲の為に人を殺す事はイスラムでもキリスト教でも、仏教でも許されていません。
嘘をつく事はどのような社会でも良くない事とされます。
こういう普遍的な原理の中で中世から存在するのが法律という考え方です。
動物の愛護及び管理に関する法律(日本国)
動物が命あるものであることにかんがみ、何人も、動物をみだりに殺し、傷つけ、又は苦しめることのないようにするのみでなく、人と動物の共生に配慮しつつ、その習性を考慮して適正に取り扱うようにしなければならない。
(http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S48/S48HO105.html)
(追記:ベトナムの刑法上、贈収賄は罰せられます。しかし、立証が大変難しく日系企業でも対応しきれない事があります。その為、このような表現となりました。)
参考サイト:http://www.tmi.gr.jp/wp-content/uploads/2015/02/TMI_vol22.pdf